アダルトビデオがレンタル全盛期の時代からAV業界に携わっていますが、年号も平成から令和に移り変わり大きく変わったことをひとつ挙げるとすれば「AV女優さんのレベル」です。
10年前なら確実に単体女優だった女の子がキカタンだったり、仮に単体デビューしたとしても3ヵ月程度の短い契約が行われたりしています。
現在のAV業界は可愛くて当たり前、それ以上に付加価値がないと生き残れない業界になっています。
本音はもっと沢山の女の子にデビューしてほしいですが、甘いことだけ言って人生を棒にふってほしくないので、業界人のみが知るリアルを伝えておきます。
AV女優はほぼ全ての男性から感謝されるうえ、契約によっては大金を稼げる素晴らしい職業です。ただ、誰でも簡単にそうなれるとは勘違いしないようにしてください。
この記事の内容
過去・現在でAV業界が変わったポイント
私がAVプロダクションのマネージャーとしてバリバリ働いていた頃と現在において、AV業界で大きく変わったことをいくつか紹介します。
レンタル~DVD~動画配信へ
AV業界がここまで大きな市場になった理由のひとつに「販売形態の変化」があります。
一昔前までは、レンタルビデオ屋さんに行ってVHS(ビデオ)を借りる「レンタル」が当たり前でした。一方、現在はパソコンやスマホで視聴したいタイトルを検索すれば一瞬で作品が見つかり、その場で購入することができる「セル」が主流になっています。
実はこの変革には皆さんもよくご存じのDMMが関係しています。というのも、それまで上限だと思われていた出演ギャラの1.5倍以上も提示したのです。
当然、営利企業であるプロダクションの多くはセルへ移り、独占していたレンタルメーカーたちは衰退していきました。
当時、レンタル女王だった「蒼井そら」さんの電撃移籍も大きな話題となり、周りもセルメーカーに行きやすくなったと記憶しています。
レンタルが衰退した後、DVDや動画を販売する”セルメーカー”が主流になり、業界も活気づいて仕事量も増えていきました。
AV女優さんにとっては稼げるようになりましたが、マイナスとなった一面もあるのでその辺りも紹介しておきます。
セル・動画販売において「顔バレNG」は難しい
レンタルの場合、ビデオ店のエロコーナーでしかパッケージを見られません。また、ビデオ店の数は知れているうえ、セルに比べ流通量は少なかったので、顔バレNGのAV女優にとっては活動しやすい環境でした。
実際に顔バレNGでAVデビューする子も多く、VHS時代の女優で身バレしていない女優さんは多くいます。
しかし、セルの場合は全国に店舗に加え、インターネット販売などでも確認できてしまうため、レンタル時代に「顔バレNGでもできる」という神話は崩れ落ちました。
もちろん、今でも身内に黙って活動しているAV女優さんは沢山いますが、引退までその秘密を隠し通せる確率はかなり低いでしょう。有名志向があるなら尚更です。
「AV出演していることは絶対バレないよ!」というのは嘘です。そのような説得をしてくるAVプロダクションは絶対にやめておきましょう。
無修正AVの仕事が増えた
無修正AV(裏ビデオ)が世に出回るのは素材が流出した時だけでしたが、10年ほど前から「モザイクなしの販売を前提にした仕事」が急増しています。
依頼していたのは主に、カリビアンコムや99BB(今はない)といった海外サイトでした。
当然、マンコがモロ見えとなる無修正作品への出演は、AV女優自身も抵抗があります。しかも、無修正作品が存在すると、モザイクありの正規品が売れなくなり、国内での仕事は激減します。
そのリスクを負ってまでなぜ出演してしまったのか?
- 目先の欲に流されてしまった
- 悪徳プロダクションに騙された
あまり知られていませんが、無修正の仕事だと「2倍以上のギャラ」がもらえます。
特にはじめて出演する”無修正デビュー”だとギャラは高額となるため、目先の欲に流されてしまう女優さんがいてもおかしくありません。
それともう一つは「AVプロダクションが無修正だと黙っている」ケースです。女の子には国内の仕事だと嘘をつき、渡すギャラも通常通り。ほぼ詐欺のようなことをするプロダクションもあります。
無修正が出回ってしまうと時すでに遅し。販売停止できたとしても拡散は止められないので、引退後の人生に影響を及ぼすでしょう。
ちょっとビビらせてしまいましたが、優良プロダクションに所属していれば大丈夫です。その為、プロダクション選びだけは適当に行わないように!
AV女優へ総ギャラ開示が必須になった
ここ数年、出演強要やプロダクションが逮捕されるなどのトラブルが続いたことで、AV業界全体の健全化が進められています。
その取組みとして、AVメーカーやプロダクションなどが加盟する「IPPA(知的財産振興協会)」という団体が発足されました。アダルト作品の著作権保護をはじめ、AV女優さんが働きやすい環境づくりを行っている業界最大の団体です。
中でもIPPAが取り決めしている「総ギャラ開示」というルールが凄すぎます。
これまで総ギャラに関してはブラックボックスとされてきました。その為、知識がなく何も言ってこないAV女優には最低限のギャラを渡し、プロダクション側がギャラの大半を利益にしていたのです。
しかし、この取り決めによって女優さんは正当なギャラを受取れるようになった感じ。まぁ、この問題に関しては賛否両論ありますが、個人的には良いことだと思ってます。
個人的な感想だと半数以上は悪徳プロダクションだと思ってます。同じ仕事をしているのにプロダクションによってギャラが違う…なんてあってはならないことです。その為にも事前調査だけはしっかり行ってください。
「5年ルール」で出演作品を削除できる
これまでは一度でもAVに出演すると、その作品は半永久的に残ってしまうものでした。しかし、上記で説明したIPPAなど働きにより、発売してから5年が過ぎたら削除申請できる「5年ルール」が制定されました。
AVファンとしては非常に残念なことですが、女優さんのことを考えたら最良のルールだと思いますし、実際にルールに沿って削除しているAV女優も1人や2人ではありません。
AVを引退後、エロ動画に出演していた過去が邪魔になることだってあるでしょうし、このルールはあったほうが良いでしょう。
「消したいなら出演しなければいいのに」と言ってくる人もいるでしょうが、そんな人は無視しましょう。5年間もお世話してもらえることに感謝して、これからもAV女優を応援し続けます!
AV女優って本当に稼げるの?
セックスが好き、気持ち良いことがしたい、また最近ではAV女優に憧れてといった理由でAV業界に入ってくる子もいますが、多くは金銭面に惹かれてだと思います。
では実際に、キャバクラや風俗より稼ぐことはできるのか?真実を教えます。
ピンク系では最も効率良く稼げる
AV業界に長く携わってきて言えることですが、月収100万円稼いでいる女優は数えきれないほどいました。中には月収500万円を超えている子も複数いたので、AV女優という職業は稼げると言って間違いではないでしょう。
また、他のピンク系より稼働日数が極端に少ないです。AVメーカーと専属契約をしている場合、撮影に要する日数はパッケージ撮りに1日、本番撮影で2日、計3日程度。
他にも雑誌のグラビア撮影や取材などありますが、受けるかどうかはあなた次第です。
なので、時給換算すると非常に効率的な仕事となります。
ただし、今お話ししたのは一部の限られたAV女優のケース。専属契約をしないキカタン・企画だと1作品あたりのギャラは少ないので、沢山稼ぐにはそれなりに稼働する必要があります。
とはいえ、サラリーマンなどで月収100以上、または500以上なんて人は大手でも難しいので、そう考えると稼げる可能性というのは非常に大きいと言えるでしょう。
単体・キカタン・企画のギャラ相場
これから紹介する相場はあくまで私の見解です。AVメーカーや撮影内容によっても変わるので、それを踏まえたうえでご覧ください。
単体 | 750,000~1,500,000円~ |
キカタン | 150,000~350,000円~ |
企画 | 80,000~150,000円 |
ひとつのAVメーカーと専属契約する単体は、基本的に月1回の撮影しかできない代わりにギャラが高額となります。
単体で総ギャラが150万円を切ることはほぼないので、50%を受取れるとして最低75万円は受け取れます。
人気があったり大型新人の場合、総ギャラ300万円以上(女優150万円)ということはザラにあります。元アイドルなど芸能関係だと、デビュー作品が1億円を超すこともw
単体だけなぜギャラが高額なのか簡単に説明しておくと、専属契約でプロモーションがしやすいからです。SNSなどを使った宣伝も契約しているメーカーができるので、それだけ作品の売れ行きが良くなります。
キカタンのギャラ相場は30万円ほど。単体と比べると少なく感じますが、契約の縛りがないため好きなだけ仕事ができます。人気がある女優だと月に10本以上の仕事が入るため、1本平均30万円なら300万円を稼ぐことが可能です。
キカタンのギャラ相場は10万円ほどで、働き方はキカタンと同じ。1本あたりのギャラは低いものの、複数のメーカーと仕事をできるので青天井で稼げます。
単体・キカタンの違いは?
単体・キカタンの決定的な違いは「AVメーカーと専属契約するか?しないか?」です。また、男性に好まれる容易であることは作品の売れ行きに直結するので、それなりの見た目は必須となります。
ただ、勘違いしてほしくないのは、超カワイイから単体、それ以下だとキカタンというのは間違いです。キカタンでもその辺の単体女優よりカワイイ子なんて沢山いますし、単体でいけるのに本人が望んでキカタンを選択することもあります。その理由は…
ココがPOINT!
- 単体:ほぼ全てのAVファンに知られる
- キカタン:単体より周知されにくい
「プロモーションが控えめなキカタンの方がバレにくい」といった性質があります。まぁ、人気者になってしまうとどちらも同じですけどねw
単体女優になるには?
高額なギャラを払っても元が取れるぐらい売れる!とAVメーカーが判断すること。
人並み以上に容姿が良いのは最低条件としてありますが、面接時に「この子のAVは良作になりそう」と思ってもらうことです。その為には明るく愛想が良いのはもちろん、ちょっと無理してエロく演じてみましょう。
と、当たり前のことを言ってしまいましたが、実はそんなことよりもっと簡単な単体への近道があります。それは「単体に強いプロダクション選ぶこと」です。
実際にあったことを例に挙げると、私が単体の面接をいくらしてもダメだったのに、他のプロダクションに移籍したらすぐ決まった。なんてことは何度も経験しています。すなわち、プロダクションの力も多少は影響しているということ。
忖度があることにガッカリしているかもしれませんが、これが現実です。単体中心のAVメーカーは特に、単体に強いプロダクションとは良好な関係を保ちたいので、邪険にできないところに所属するのが近道だと思います。
また、プロダクションによってギャラに違いがでることもあります。
交渉力のない弱小な事務所だと単体で契約することがゴールですが、大手の場合は契約は過程で、より高額なギャラをもらう交渉をしてくれます。
AV業界に関しては、知名度の低いプロダクションに所属するメリットはない気がします。忖度できないぐらい有名になった後、移籍するなら話は別ですが…
※プロダクション選びについては以下も参考になります。
まとめ
これからAV女優になりたい!と思っている子には絶対に後悔してほしくありません。引退する際「AV女優になって良かった」と思ってもらえるよう、周知されていない業界の真実を今後も発信するつもりです。
これは何度も言っていることですが、AV女優は素晴らしい職業です。世界的に見てもレイプ犯罪がこんなに少ない国は日本ぐらい。そうしてくれているのはAV女優さんが頑張っているからこそ。
最後に、AVに関して悩みがある場合はどんなことでも相談してください。誰よりも親身になって悩み解決をお手伝いさせてもらいます。
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